2.思春期のこと

思春期とは

思春期は、小児から成人へ移行する時期で、段階的に身体が成熟します。思春期は、多くの因子によってコントロールされていますが、最終的には、下垂体から分泌されるゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)と性腺から分泌される性ホルモンが上昇して、二次性徴が発現し、大人の体へ変化します。同時期に、性ホルモンと成長ホルモンの作用で骨が成長し身長が高くなるので、第二次成長期とも呼ばれます。

男女の二次性徴の違い

男子では、精巣が大きくなることから始まり、陰茎増大、陰毛発生と進んでいきます。
女子では、乳房の発達から始まり、陰毛発生,初経と進んでいきます。

思春期早発症

思春期早発症は、二次性徴が異常に早く出現した状態です。
正常小児における二次性徴の開始年齢は男子では10歳から13歳、女子では8歳から12歳頃であるので、それより前に二次性徴が見られるときは思春期早発症の可能性が高いことになります。思春期早発症の問題は、何か原因となる病気がかくれていないかということもありますし、早く二次性徴がくることで、まわりの友人などの目が気になるというようんことがあります。
小児内分泌学会の解説のリンクを張っておきます。http://jspe.umin.jp/public/sishunnki.html
学会の基準は、かなり厳しめになっています、8歳で乳房がふくらんできた女子、10歳までに精巣(睾丸)がふくらんできた男子も十分早いですので、受診をお勧めします。
思春期早発症の診断は、成長曲線を確認し、診察と、骨年齢(手のレントゲン検査)、血液検査などを行いますが、場合によっては負荷試験やMRI検査などが必要なことがあります。
男子は陰毛発育や成長異常などにより見つかることが多く、診断が遅れがちです。女子の場合、乳房発育はまず乳房だけが大きくなる「早期乳房発育」との鑑別を行っていくことになります。女子で一番多いのは「特発性思春期早発症」です。

思春期早発症の治療

思春期早発症と診断された場合、その原因により治療が異なります。特に男子では、いろいろと検査をして、原因を見極める必要があります。女子の場合は、特発性と言って、特定の原因がないことが多いです。特発性の思春期早発症と診断された場合、LH-RHアナログ(リュープリン)という薬で治療します。治療をすることで、二次性徴がゆっくり進みます。

思春期遅発症

男子で14歳以上、女子で12歳以上になっても二次性徴が認められない場合は、思春期遅発症(または性腺機能低下症)が考えられます。通常、思春期遅発症は、低身長を伴っていることが多いです。
LHRH負荷試験という検査が診断に重要で、一般的には原発性性腺機能低下症は高反応、中枢性性腺機能低下症と思春期遅発症は低反応を示します。しかし、実際には、中枢性性腺機能低下症(ゴナドトロピン分泌不全症)と思春期遅発症は、鑑別が困難なこともあります。

思春期も身長を決める要素

思春期の時期は、身長を決める重要な要素です。「思春期(第二次成長)にさえなれば身長が伸びて大きくなる」と考えている親御さんや医師もいます。 しかし、すべての子どもが同じように伸びるわけではありません。例えば、男子で125cmの時に思春期が始まれば、一般的に大人になった時の身長は150cmくらいです。 しかも早く思春期が来た場合は、低身長が目立ちませんので。病院を受診されることは少ないのです。 お子さんの思春期の時期を正確に判断するには成長曲線をつけることと、診察や検査が必要です。 成長曲線の傾きが上に傾いてきたところが、二次性徴の始まりです。それに加え、女の子であれば乳房がふくらみはじめ、男の子であれば精巣が大きくなってきていれば、思春期に入ったと判断できます。他のお子さんより早めに思春期に入ったかもと不安がある場合は、ぜひ一度受診されることをお勧めします。

初めて受診される時のお願い

思春期の相談で初めて受診される場合にも、母子手帳と保育園・幼稚園・学校の身長体重の記録など、 測定年月日と身長体重が数字でわかるものをできるだけ多く持参してください。成長曲線を作成します。記録はすべてお返しします。 小学生・中学生の方は担任の先生もしくは養護教諭(保健室の先生)にお願いしていただければ記録を受け取ることもできます。 十分にお話を伺うために、予約制をとらせていただいています。お電話(TEL0773-25-0055)にて予約をお願いします。