4.夜尿(おねしょ)のこと

夜尿について

夜尿は、7歳でも10%の人にあると言われています。夜尿が無くなっていくメカニズムはまだよくわかっていないのですが、夜間に尿をためられる膀胱の大きさが大きくなること、そして夜間の尿を減らす抗利尿ホルモンの分泌がしっかりできてくることが必要です。
一般的には5-6歳以上で、夜尿が繰り返す方を夜尿症と呼ぶことが多いです。
下記のホームページも詳しいですので、参考になさってください。(外部サイトにつながります)
https://onesho.com/patient/

夜尿の治療時期

おおむね6歳以上でおねしょが気になるお子さんが対象ですが、本人があまり幼いと、治療の協力が得られなかったり、治そうとする意欲が見られないことがありますので、いくら周りが頑張っても、十分な効果が得られないこともあります。当院では、本人がおねしょを治したいという気持ちが出てきたら治療しましょうと言っています。

検査・治療方法

まずは夜間の水分を減らし、規則正しい生活をすることが前提になります。中には、ホルモンや腎臓の病気でたくさん尿が出ている場合もありますので、尿検査や超音波検査を行います。血液検査もすることもまれにあります。
その上で、薬物療法とアラーム療法の2つから選択いただき、治療をおこないます。

薬物療法

ミニリンメルトという、ホルモンのお薬を飲みます。口の中で溶ける薬ですので、水なしで寝る前に飲みます。
人間の体にあるホルモンですので、一般的に大きな副作用はありませんが、薬を飲んだ後に大量の水分を取らないよう注意が少しだけ必要です。よく効く人であれば、飲み始めから夜尿回数が減ってきますが、薬を中止できるまでに半年以上かかることが多いです。効果がなければ、尿漏れの薬を追加したり、アラーム療法に変更したり、また日本では昔から使われてきた、三環系抗うつ薬という薬を使う場合もあります

アラーム療法

アラーム療法は、尿を感知する尿パッドをつけて眠ってもらい、アラームが鳴ったら起こして、トイレで排尿させるという治療です。アラームのレンタル料金がかかります。薬物療法よりも、治す治療に近いので、即効性が期待できます。お薬を使いたくない方にはお勧めです。
当院では、ピスコ―ルという機械を推奨しています。来院後、ご自身で契約していただくことになります。詳しくは下記サイトをご覧ください。
https://www.pisscall.jp/

治療の効果は、薬物療法もアラーム療法も70%ほどといわれています。効かない場合は、治療を切り替えたり、2つを併用したりします。