3.月経(生理)のこと

初経の時期について

現在、日本では初経年齢の平均は6年生(12歳)です。もちろん平均ですから早い人もいれば遅い人もいます。極端に早い場合は、学校など社会生活上、まわりの人との関係や、本人の精神年齢とのかげんで問題となることがあります。
だいたい、小学3・4年生で胸がふくらみ、身長がのび始める(身長スパート)のが標準的ですが、幼稚園や小学1年生くらいで、そうなってしまうと、初経が早く来すぎてしまうことがあります(思春期早発症)。よく似た状態に早発乳房(早期乳房発育)というのもあり、これは乳房だけがふくらんできますが、身長のスパートはありません。よくわからない場合は、受診をお勧めします。

第2次性徴(成長期)が来ない場合

思春期が早い人もいれば、遅い人もいます。女性の場合、遅い人でも中学生になるまでに胸がふくらみ創める人がほとんどです。
思春期遅発症(おくて)と言い、スタートが遅いだけの場合もありますが、ホルモンの異常など何らかの疾患が隠れている音もあります。
周りと比べて、一人だけ成長が遅れている場合も受診していだだければ、検査などいたします。
男子の場合は、たいてい低身長を伴いますので受診されることが多いですが、気づかれないこともあります。まわりの子どもたちと比べてみてください。

月経(生理)の移動について

「入試やスポーツ大会の時に気にせず力を発揮したい」
「家族旅行や修学旅行など大切な行事を十分に楽しみたい」
などの理由で、月経を移動させたいと思っている人は多いとお聞きします。ホルモン剤の服用により、月経を移動させることが可能です。月経を遅らせる方法と早める方法があり、期間や予定を考えてどちらにするか決めます。

1. 月経を遅らせる方法

月経予定日のおよそ5日前からホルモン剤を飲みはじめ、月経が来てもよい日まで1日1錠を飲む方法です。飲み終えて2-3日で生理が来ます。月経が順調な方であれば、ほぼ確実に移動させることができ、飲む機関も短いですが、吐き気やだるさなどの副作用が出ることがあります。

2. 月経を早める方法

前月の月経開始後3-5日目から10-14日間ホルモン剤を内服します。服用終了後、2日ほどで月経がはじまります。月経を避けたい時期の前に月経を移動させます。大切な行事の時には副作用もなく、薬も飲まなくてもよいというメリットがあります。ただし、個人差などで月経が起こらない場合もあります。

使用するホルモン剤は、中容量ピル(OC)のプラノバール®を使用します。副作用が出る場合などは別の薬も用いることがあります。
月経の移動は自費診療になります。診察料と薬剤の合計で、4500円ほどになります。人の体のことです、うまく調整できない場合もありますことご了承ください

月経不順が強い方などには、あらかじめ血液検査などでホルモン状況を確認しておかなければならない場合もあります。スケジュールには余裕をもって受診してください。
なお以下に当てはまる方には、処方できません。
前兆のある片頭痛をお持ちの方
40歳以上の方
高血圧の方
ヘビースモーカーの方
妊娠の可能性がある方
ドーピング検査のあるアスリートの方

受診される場合

月経や二次性徴の相談で受診される場合、内分泌外来の予約をおすすめしています。
内分泌外来は、毎日やっておりますので、電話でご予約してください。